20071202

[表現]sinsan hukuoka

  • 「何なんだこれ!」と怒ったようにつぶやいたりしていて
  • 満月と寒さとしめきりが重なり、情緒不安定な三連休を迎えまし

歴史の澱
  比喩的な表現。googleで検索してもなぜかこの語に関する直接的な説明はすぐに見当たらない。
  使われ方としては、
  1. 現代におけるある場所、ものに対して「歴史的な雰囲気を感じさせる」という意味の単なる比喩表現。ただの「歴史」と同義の場合が多い。
  2. 歴史の底に澱として沈んでしまった歴史。忘れられてしまった歴史、顧みられない歴史・過去のことなどネガティブな意味合いで使われることが多い。
  3. 普段は忘れられ、顧みられなくなっているが、それ以降の歴史に何らかの影響を及ぼしていると見受けられる歴史。

20071031

[メモ]語彙 夏恋

『夏恋』より

  • 血沸き肉踊る夏休み‥
  • 鈴を転がすような美しい声
  • そよ風がそのまま歩いているかのようなゆったりとした足取りの巫女は‥

慣用句

刎頚(ふんけい)の友・刎頚の交わり

たとえ首を刎(はね)られても、悔いのないほど深い交わりのこと
 参考:http://www.mizz.jp/word/word_13.html


沽券(こけん)に関わる・沽券が下がる

面目・プライドに差し障りがあること
 参考:http://gogen-allguide.com/ko/koken.html

20071028

[メモ]昆虫薀蓄 ゴキブリ

ゴキブリは人の区別ができるのかということについて

「12頭のマダガスカルオオゴキブリを研究者が取り扱っていた結果、10頭が慣れて、「シュー」という威嚇音を出さなくなった。この10頭を別の人が扱うとそのうち4頭は威嚇音を出した。10頭を再び初めの研究者が扱ったところ、威嚇音を出す個体はいなかった。」

という論旨の論文があるとの紹介の記事を見つけた。上はその紹介記事の引用。

引用:とある昆虫研究者のメモ ゴキブリ:ヒトの区別ができる?

20070619

[メモ]気になる単語

たまに文章に登場し、何となくイメージは掴めるけど確かな意味はわからない、そんな単語たちのための調べ学習。

カタコンベ
  • 地下の墓所のこと。もともとはローマの特定の埋葬場所のことを意味していたが死者を葬る為に使われた洞窟、岩屋や地下の洞穴のこと全般を指すようになった。ローマ帝国による迫害を逃れた初期のキリスト教徒は、ここで信仰を守りつづけた。
サンクチュアリ
  • 聖域・聖所の意。中世ヨーロッパで、法律の力の及ばなかった寺院・教会など。敵の攻撃を受けない安全地帯。また、ゲリラの安全な隠れ場所。鳥獣の保護区・禁猟区。
五体投地
  • チベット仏教における巡礼のスタイル。五体すなわち両手・両膝・額を地面に投げ出すようにして少しずつ前に進んでいく動作。参考までに:「五体投地のやり方」
アガスティアの葉
  • アガスティアの葉は南インドに伝わる葉で、その昔、聖者アガスティアがこの世の人々の未来を予言し、それをpalmyra(パルメーラ)の葉に書き取ったものといわれる。 一人一人の葉は指紋で識別できるようになっており、葉にはその人の一生について細かく書かれているとのこと。聖者アガスティアは葉を見に来る人の数も予言し、その人数分だけ葉が保管されているとも伝えられる。
アカシックレコード
  • アカシックレコード (Akashic Records) は、宇宙や人類の過去から未来までの歴史全てが、データバンク的に記されているという一種の記録をさす概念。神智学(あるいは人智学)やリーディングの伝統などでは精神的に目覚めた人は、この記録から、意のままに過去や未来の情報を引き出すことができるようになり、そして自己の人生の意義や存在の理由がわかるとされる。多くの預言者や神秘家がこれにアクセスし、予言として世に伝えてきたとしている。

20070615

[表現]バルザック『ゴリオ爺さん』

フランス人作家。現代リアリズム小説の祖と言われる。

表現
  • 「服装はそんなだったが、彼らはほとんどみな、骨組みのがっしりした身体、人生の風雪に耐えてきた体格、冷たくて、かたくなで、通用しなくなった古い貨幣の表面みたいに特徴のない顔を見せていた。」20
  • 「真っ先に社会から利益をしぼりとる人間となるために、あらかじめその学業を社会の未来の動きにに適応させて、すばらしい出世を準備しているといった青年たちのひとりだった。」18
  • 「いったいどんな酸が、この女から女性的な容姿を腐食し去ったのか?」20
  • 「習慣的な愁い顔、もじもじした表情、貧しくひ弱そうな様子」23
  • 「ウージェーヌは男爵夫人の手をとり、ふたりとも、ときどき強く握っては音楽が与える感覚を伝えあいながら、手と手で話した。」261
  • 「父があたしの心臓を作ってくれたけど、それを脈打たせてくださったのはあなたですもの。」431
  • 「女の感情を見抜ける人間にとっては、この瞬間は甘美な喜びに満ちたものである。自分の意見を出し惜しみして相手をじらし、思わせぶりして自分の喜びを隠し、相手に不安を起こさせてそこに愛の告白を探り、ちょっと微笑するだけで解消してやれる相手の心配ぶりを楽しむといったことを、しばしばやってみなかった人間がそもそもいるだろうか?」265
  • 「女のすべての感情を流露させるあの慈愛の行為をできたのが嬉しく、それにその行為が、罪の感情なしに、青年の心臓が自分の胸の上で動悸のを感じさせてくれたので、ヴィクトリーヌの表情にはどこか母性的な保護者といった様子が漂い、それが彼女の顔を誇らしげに見せていた。」324

ボーセアン夫人の科白
  • 「じゃあ申し上げるわ、ラスティニャックさん、世間というものを、その値打ちどおりに扱うことですよ。出世なさりたいとおっしゃるなら、わたしがお助けします。女の堕落がどんなに底深いものか、男のみじめな虚栄心がどんなに幅広いものか、いずれあなたもおわかりになりますよ。わたしはこの世間と言う書物をよく読んだつもりでいましたが、それでもまだ、わたしの知らないページがありました。いまはわたしには何もかもわかりました。あなたは冷静に計算なされるほど、出世なさるのですよ。容赦なく打撃を与えなさい、そうすればひとに恐れられます。男も女も、宿駅ごとに乗りつぶして捨ててゆく乗り継ぎ馬としてしか、受け入れてはいけませんの。そうすることによって、あなたは望みの絶頂に達することができるでしょう。はっきり申し上げるけど、あなたに関心をいだく女性がいないかぎり、ここではあなたは物の数にもはいらないのです。若くて、お金持ちで、上品な、そういう女性があなたに必要なのです。でもあなたがほんとうの愛情を感じたりしたら、それを宝物のように隠しておかなければなりません。けっしてそれを感ずかれないようにすることです、そうでないと、あなたは破滅です。そのときはもう、あなたは死刑執行人ではなくて、犠牲者になってしまうのですからね。まかり間違って恋をしても、あなたの秘密をしっかり守るのです!心を打ち明けようとする相手が、どんな人間かはっきり見定めた上でなければ、その秘密をもらしてはいけませんわ。(略)パリでは、評判がすべてで、権力を手に入れる鍵ですの。女たちがあなたは才気のあるひと、才能のあるひとだと言えば、男たちも、あなたがその評判と逆のことをしないかぎりそれを鵜呑みにするものなのよ。そうすればあなたは、どんなことでも望みどおりにでき、どこへでも出入りできるのです。そうすればあなたにも、世間というものがどういうものか、つまりお人よしとぺてん師の集まりだということがわかるでしょう。どちらの側についてもいけません。わたしの名前を、世間というこの迷路へはいってゆくためのアリアドネの糸として貸してさしあげます。この名前を辱めないでくださいね」139
ヴォートランの科白
  • 「(略)なんならためしてみるがいい。このサラダ菜の根っこと引き換えに、首を賭けたっていいが、君のお気に召した最初の女の家で、たとえそれがどんなに金持ちで美人で若い女であっても、君は雀蜂の巣みたいな混乱にぶつかることを請け合うね。どの女もみんな、法律の首枷をはめられ、何かにつけて亭主と交戦状態にあるんだ。恋人のため、着るもののため、子供のため、家庭のためや虚栄のため、といってもめったに美しい心根からじゃあないことは、保証していいが、どんな醜い駆引きがなされているか説明しなきゃならんとしたら、果てしがないだろうよ。だから正直者ってのは、共同の敵なのさ。しかし、正直者ってのはどんな人間だと思うかね?パリでは、正直者とは黙りこんで、仲間入りするのを断る人間のことさ。なにも、いたるところでつまらん仕事をして、その労働が絶対報いられることのない、神の古靴信者団とおれの呼んでいるあの哀れな賤民どものことを言っているんじゃあない。たしかに、連中の間には美徳があって、その愚鈍さのかぎりを花咲かせているが、しかしまた悲惨がある。もしも神が最後の審判の日に欠席するなんていう、たちの悪いいたずらでもしたら、あのひとのいい連中がどんな泣きっ面をするか、目に見えるような気がするな。というわけで、君がたちまちのうちに出世しようと思うのなら、すでに金持ちであるか、あるいはそう見えなくちゃならんのさ。金持ちになろうと思ったら、この土地じゃあ、思い切った芝居を打つことだ。そうでもしないと、けちけち暮らして、はいご苦労様さ!君が選ぶことのできる百の職業のうちで、十人ぐらいはさっさと成功するのがいる、世間はそういう連中を泥棒と呼ぶ。そこから結論を引き出したまえ。ありのままの人生とはそんなものなんだ。こいつは台所以上にきれいなものじゃなく、同じくらいひどい匂いがする。そしてご馳走を作ろうと思ったら手を汚さなくちゃならん。ただ、あとでそのよごれをきれいに落とすすべを知ることさ。それが、いまのご時世の道徳のすべてなんだ。おれが世間のことをこんなふうに話すのも、世間がその権利をおれに与えた、つまりおれは世間を知っているからなんだ。おれが非難していると思うかね。どういたしまして。世間てのはいつもこうだった。道学者連がなんといったって、変わりっこない。人間は不完全なんだよ。人間は多かれ少なかれ、偽善者になることがあるが、そうすると頓馬な連中は、やれ真面目だ、不真面目だなどとぬかす。おれはなにも、貧乏人のために金持ちをやっつけているわけでもないのさ。人間てのは、上だって下だって、真ん中だって、いつもおんなじなんだ。この高等家畜の群れには、百万人に十人ぐらいの割で、あらゆるものの上、法律の上にさえ立つ図太いやつがいる。おれもその仲間さ。君は、もし優秀な人間だと思ったら、頭を上げてまっすぐ進みたまえ。しかし、羨望とか中傷とか愚鈍さとかと戦わなくちゃなるまいな、すべての人間と。(略)」187
ラスティニャックの科白
  • 彼の目には世間というものが、いったん足を突っこむとずるずる首までもぐってしまう、泥の海のように映るのだった。「そこで行われるのはしみったれた犯罪ばかりだ!」と、かれはつぶやいた。「ヴォートランのほうがずっと偉い。彼は《服従》と《闘争》と《反抗》という、社会を表現する三つの大きな要素を見きわめていた。つまり《家族》と《世間》と《ヴォートラン》だ」 それでいて彼は、態度を決めかねていた。《服従》は退屈であり、《反抗》は不可能で、《闘争》はあやふやなのだ。彼の思念は、ひとりでに彼を家族のもとへと連れ戻した。彼はあの静かな生活の清らかな感動を思い出し、自分をいつくしんでくれた人びととの間ですごした日々を回想した。家庭というものの自然の掟を忠実に守って、そのなつかしい人びとは、そこに充実した、間断のない、そして何の苦悩もない幸福を見出しているのだ。そんな殊勝な考えにもかかわらず、彼はデルフィーヌの前に出て清らかな魂の信条を告白し、《愛》の名において《美徳》を命令するためだけの勇気が、どうしてももてなかった。始まったばかりの彼の教育が、すでに実を結んでいたのである。彼はすでに利己的に恋していた。生来の俊敏さのおかげで、彼はデルフィーヌの心の性質を見抜いていた。舞踏会へ行くためなら父親の死体でも踏みにじりかねない女だと、予感していたのであり、それでいて彼には、説教師の役割を演じる気力も、夫人の機嫌をそこねる勇気も、彼女を捨てるだけの道徳感もなかった。」446
  • 「美しい魂を持っていると、この世間に長くとどまっていることができないんだ。実際、どうして偉大な感情が、みみっちくて、しみったれていて、浅薄な社会などとおりあってゆけるだろうか。」464

語句の意味

かもじ
  • かもじとは、もともと結髪に使う「添え毛・入れ毛・足し毛」のこと。髢。
象嵌
  • 象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味がある。象嵌は、一つの素材に異質の素材を嵌め込むと言う意味。

  • 戸・窓・障子などの周囲の枠
矍鑠(かくしゃく)
  • 「矍」とは「おどろく・いさむ」姿の意味、「鑠」とは「さかん」と言う意味。2つを合わせて、「年をとっても元気なさま」という意味で年老いた人に対して使われる。

20070612

[本]ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』

ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』岩波文庫

あらすじを少々

主な登場人物は4人の孤児。ポール、エリザベート、ジェラール、アガート。
ポールは同じ学校の悪ガキダルジュロスを崇拝。しかし、学校をリタイアしてからその感情はダルジュロスの写真に移り、アガートたちと住むようになってからは彼女の中にダルジュロスの面影を見つけ、最終的に彼女に対して愛情を抱くようになる。エリザベートの弟。
ジェラールはポールの同級生。ポールがダルジュロスに対して抱いている感情を、ポールに対して抱く。目覚めつつ夢を見るという不思議な恍惚状態をポールから学び、その不思議な感性をポールそのものとして、その魅力を感じている。どういう流れか不明だが、少女から娘と成長したエリザベートに愛情を抱くようになる。しかし長年の付き合いの中で、彼女に愛情を与えることは彼女から愛情を奪う、という矛盾に思える繊細な洞察をし、彼女を自分の中で聖処女として位置づけただ偶像的に理解するようになった。
アガートはエリザベートの同僚。「マネキン」と呼ばれるファッションモデルの仕事を行う。いつからかポール、エリザベート姉弟と住むようになる。ポールに愛情を抱くが、エリザベートの策略によって、ポールへの気持ちを無理やり断ち切られ、最終的にジェラールと婚姻する。
エリザベート。弟に対して倒錯した愛情を抱いている。その愛情をどう評価するか、というのがこの小説の主な主題一つと考えられる。

ダルジュロス。ポール、ジェラールの同級生。意識的に無意識的にポールに影響を与える。現実というポールの狭い世界の中で、彼に対して唯一強烈に際立っていた存在。その容姿や立ち振る舞いの中に何らかの魅力を感じていた。登場場面はほとんどないが、重要人物。


単語の意味

中風
  • 脳卒中。脳出血によって、半身または腕・足など身体の一部がマヒして感覚がなくなり、自由が効かなくなる病。
軒蛇腹
  • 軒近くに設けた蛇腹。
  • 軒(のき):屋根の下端で、建物の外壁から張り出した部分。風雨や日光をよける。
ためつすがめつ(矯めつ 眇めつ)
  • 〔動詞「たむ」「すがむ」の連用形に完了の助動詞「つ」が付いたもの〕いろいろな方からよく見るさま。とみこうみ。「―して見る」

20070611

[メモ]ハシシ・コーク

ハシシ、コーク。村上龍『イビサ』に頻繁に登場する薬物。主人公のマチコやその友人ラフォンスがよく使用していた。どういう薬物か調べ学習。


ハシシ

・大麻樹脂。大麻草の分泌する樹脂を集めて成型したもの。「チョコ」と称されることもある。
  • cf.大麻:「我が国では麻(アサ)として知られてきた。この麻は、テトラハイドロカンナビノール(THC)という物質(薬物)を含んでおり、THCには催幻覚作用がある。乱用される大麻は、その形状によって、だいたい3つに分けられる。1)大麻草を乾燥させたもの。2)大麻草の分泌する樹脂を集めて成型したもの(大麻樹脂)。3)溶媒を用いて成分を抽出したうえ、オイル状にしたもの。」

ハシシ周辺の薀蓄
  • THCは油やアルコールに溶ける。
  • THC は脳内の海馬・小脳・延髄腹内側部などに影響。
  • 致死量は、カンナビノイドの含有量が品種によって違うため断定出来ないが、過剰摂取による死亡例の報告は無く、急性中毒による死亡はまずないと言われている。
  • 日本では大麻の所持や栽培は大麻取締り法で規制。国の許可がないと所持・栽培はできないことになっている。
  • 栃木で栃木白という品種が栽培されているが、これは麻布とするためである。品種改良によりTHCはほとんど含んでいないとされる。なお県外持ち出しは禁止されている。

コーク

・Coke。コカイン(Cocaine)の略称
  • 南米に生育する「コカ」という木の葉から抽出される物質で、通常はふわふわした感じの白色粉末
  • 粘膜の麻酔に効力があり、局所麻酔薬として用いられる。この作用は、ナトリウムイオンチャネルの興奮を抑えることで、感覚神経の興奮を抑制することによる。また中枢神経に作用して、精神を高揚させる働きを持つ。
  • コカインによる依存症は極めて強い部類に含まれるが、主に精神依存であり、肉体依存は弱いと言われる。
  • コカインの中枢作用は覚醒剤(アンフェタミン類)と類似。コカインは作用が強烈で短時間作用し、覚醒剤は作用はコカインより弱いが長時間作用。
  • 麻薬及び向精神薬取締法で規制対象
  • もっとも特徴的な中毒症状には、皮膚と筋肉の間に虫がはいまわるような感覚が起こる皮膚寄生虫妄想というものがある。
  • ある人には安全な量が別の人には致死量であり得る。