20070129

[メモ]人間疎外

人間疎外

 市民社会
  • 十八世紀後半、産業革命と市民社会を迎えたヨーロッパ
  • 国家権力と明白に区別された「経済社会」ないし「産業社会」「市民社会」と名づけられる新しい様相の登場。政治社会-経済社会(市民社会)
  • 「自由競争」「市場経済」を原理として持つ
  • ヨーロッパにおいて産業革命が勃興。それにより物資の大量生産が可能となる。生産物を売る市場、または買う市場を求めてヨーロッパ文化圏から他の文化圏へ接触。軍事力を背景に植民地という形で支配。内に市民社会(資本主義)、外に植民地支配(帝国主義)。 
 人間疎外
  • 市民社会における矛盾。
  • 市民社会(経済社会)における弱肉強食に端を発する。抑圧階級-非抑圧階級。
  • 市民社会における、人間らしさの喪失。非人間性。
  • マルクスの疎外論:「まず労働者は自分のつくった労働生産物から疎外され、つぎに労働を自らの行為として感じることができず、そして人間らしさを失って動物並みの欲求水準に落ち、また階級対立によって対等なコミュニケーションから除外される」。資本主義においてはそのような疎外は必然的であるとした。(マルクスはそのような「疎外」の解放手段として共産主義を構想)
  • 本来は人間の主体的活動であった労働とその(結果としての)生産物が、利潤追求の手段となり変わり人間が労働力という商品に還元されることによって、人間が資本のもとに従属し、ものを作る主人であることが失われる。人間が作ったものが人間を離れ、人間を支配してしまうことによって人間的らしさ(類的性質)が見失われる。働く喜びの喪失から発展する、人間らしさからの疎外。
  • ヘーゲルにおいて疎外は、人間の認識の深化・発展のための不可欠の一契機として考えられられる。疎外の解放手段(矛盾の解決手段)は「人倫」最高形態たる国家に求める。


参考:

『ヨーロッパ社会思想史』 山脇直司 東京大学出版会
疎外-ウィキペディア
 (但参照時070128)

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