20070121

[Web]グーグルと英軍、テロリストによるGoogle Earthの利用について協議

グーグルと英軍、テロリストによるGoogle Earthの利用について協議 - CNET Japan

この記事によれば「Google Earthの航空写真を利用したテロリストがバスラ(イラクの地名)の英軍基地をピンポイント攻撃したという証拠が発見された」とのことである。それに対応して英軍とGoogleとの間に協議が持たれたということは、Google Earthがテロリストの軍事活動に使われるほど高い機能性持つということを英軍が認めたということだ。機能性に関してはもはや軍隊からもテロリストからもお墨付きをもらったといってもいい。

Google Earthによって全世界の全地域の衛星写真を手に入れることが可能になったということは、「衛星写真で世界観光地巡り」などといった新しい娯楽が開拓されると共に、軍事的にも新しい可能性を開拓した。Google Earthの衛星写真の解像度は、テレビのニュースでたまに見かける米軍軍事衛星による衛星写真の解像度に劣ってはいるものの、かなり高い。その衛星写真からは自分の住んでいる家だって発見できるし、車も把捉できている。さらに、マウスでカーソルを合わせると、合わせたその地点の経度・緯度が表示される機能も付いている。テロリストはこれらの機能に目をつけて、それを利用して英軍基地をピンポイントで攻撃したということだ。詳しい攻撃方法については書かれていないが、記事によると、英軍のある部隊のインテリジェンスオフィサーなる地位の人が言うには、「英軍の見解では、テロリストは、テントなど防御の弱い場所を特定するためにGoogle Earthを利用しているのだと考えている」そう。また、Google Earthから取り出した画像のプリントアウトの裏には英軍が配置されている建物の正確な経度・緯度がメモ書きされていたという。重ねて言うが、英軍がくらった攻撃は一体どのようなものだったのだろう。そこを書いてくれないとテロリストの攻撃とGoogle Earthの関連性があまりはっきりとイメージしにくい。インテリジェンスオフィサーとかいう人の発言だけ書かれてもよくわからない。

それにしてもGoogleには驚愕。GoogleによるITインフラの革命によって、軍事的に転用可能な技術が裏社会というアンダーグラウンドな世界だけで流通するものにとどまらず、普通にネットでアクセスできるようになったのだ。Google Earthに限らず、専門性が高すぎたり、費用があまりにも高すぎたりするが故に公的な機関や少数の者しか持てなかった「特別な技術」が、Web2.0の到来により、その敷居が官ではない民の普通の人たちまで下がりつつあるように思われる。


テロ目的であれ何であれ、そのような技術を民間で有効に活用しつくす人は今のところそう多くはないと思われるが、技術の門戸を広く開放することについては、何だか無条件に「いいなぁ」と思ってしまう。
しかし、何だか「いいなぁ」と感じるこの態度に、むしろ小さな違和感や不安を感じる。やたらめったら「民主化」してもいいのだろうか。

やはり民主化というイデオロギーは強力。思考回路にも浸透する。でも、強力すぎて何だか逆にちょっと怖くなってしまう。

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